朝、目が覚めると体が痛いのですが?
体が痛くなる原因はいくつか考えられます。
- 睡眠時の寝姿勢が不自然な状態になっているあお向寝、横向寝の姿勢は、人が立っている姿勢をそのままキープできることが大切です。枕が高すぎたり、敷(マットレス)が、固すぎたり柔らかすぎたりしても不自然な寝姿勢となります。骨格、筋肉に不自然な緊張がおこります。その状態で6~7時すごせば、痛みが起きやすくなります。首や肩、腰等に違和感が出、やがて痛みとなります。
- 敷・マットレスが固すぎると自分の体重で体を圧迫することになります。特に、後頭部、肩甲骨周辺、おしりの仙骨周辺、かかと等、体の出ている部分は特に圧迫を受けやすいところです。床ずれ(じょく瘡)が出やすいところです。
- 敷・マットレスが柔らかすぎると、大きく寝姿勢がゆがみます。圧迫は比較的受けませんが、姿勢がくずれて大きくゆがむのです。
いずれにしてもこのような状態が続くと痛みだけではなく睡眠に影響を及ぼし、そのリズムを浅くしていきます。途中で目が覚めたり、朝目覚めた時に、だるい、おもい、ねむい、など日常生活に大きく影響を及ぼすようになります。体にあらわれる現象は、急におこったことではなく、日々の不自然さの積み重ねからおきています。それを改善するには今日今出来ることから変えることが大切です。
(敷・マットレス 枕の項目参照)
夜、手足が冷たくてなかなか眠れません。手袋をしたりくつ下をはいています。
なかなかつらい症状ですね。冷えの体質かもしれませんね。ひとの眠りの仕組みを考えてみましょう。
体温は一日のうちで大きく変化します。朝起床前が一番低く、起床後朝食をとり徐々に上っていきます。夕方近くが一番高くそこから徐々に下がりはじめ、入眠するころに一段と下がってきます。ひとの眠りは体温が下がることで始まります。(この体温は深部体温)体温を下げる為にひとは発汗量を増やして下げていきます。よく乳幼児が眠くなるとからだが熱くなることは皆さんご存知のことですね。大人も気づきませんが同じことがおきています。手・足が自然とあたたかくなり、眠りに入っていきます。
この時、体温が低いと手足で放熱することができません。深部体温を下げられないのでなかなか入眠しにくいのです。
対策としては、入眠前に意識的にからだをあたためること。簡単にできるのは、入浴によって少し体温を上げてあげることです。少しぬる目のお湯でゆっくりとからだをあたためてください。あたたまったからだはやがて自然とさめていきます。その体温が下がる、タイミングを生かして入眠するのがからだもこころもリラックスして良い方法です。
また入眠時には、発汗量が増えおふとんの中の湿度が上昇します。吸湿、放湿にすぐれた素材のおふとんを選ばれると良いでしょう。その為にも季節や室温に応じて寝具や素材の組み合わせを考えることも大切です。
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室温5℃前後
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室温10℃前後
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室温15℃前後
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室温20℃前後
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室温25℃前後
羽毛ふとんのお手入れはどのようにしたら良いのでしょう?
ご自分の眠りをささえてくれる羽毛ふとん。かるくてあたたかく、1年のうち秋・冬・春と3シーズン使用します。日々のお手入れは、おふとんカバーのお洗濯。その時、ふとんのキルティングの目にそってかるくブラッシングやクリーナーで表面のほこりを取りましょう。干す時は、影ぼしが基本です。
5年~7年経過した時は、丸洗いです。
大切にご使用いただいていても衿元等が少しずつよごれてきます。汗や皮脂等により羽毛自体にもよごれが付着していきます。
気をつけていただきたいことは、羽毛ふとんは丸洗いをすると「生地」も中の「羽毛」もダメージを受けているということです。ふとんを長持ちさせ、快適さ、あたたかさを失わないためにも1枚1枚ていねいに仕上げてくれるお店や工場を選びましょう。
いびきがひどいのですが、枕だけで治るのでしょうか?
睡眠中は、からだの筋肉がゆるむため口が多少開いたり、舌の筋肉がのどの奥のほうへ下がってしまい、気道が狭くなり、軟口蓋が振動して、いびきが発生します。
慢性的ないびきが生じる原因は、「鼻」や「のど」にあります。鼻の場合は鼻炎や蓄膿症、のどの場合は、扁桃腺の肥大やアデノイドなどによって気管が狭くなり、空気の通りが悪くなることで生じます。肥満傾向にある人や、あごが小さい人もおこりやすくなります。
いずれにしても空気の通りが悪いということは、からだに必要な酸素をうまく取りこめないことになります。一見するとよく熟睡しているように見えますが、からだは慢性的な睡眠不足状態になります。いびきをかく方の内で一時的に呼吸の止まる「睡眠時無呼吸症(SAS)」へと進んでしまう方もかなりいらっしゃるようです。
枕は、あお向き寝や横向き寝で正しい寝姿勢をつくり気道を確保します。特に、あお向き寝でいびきが出やすいので、横向き寝がよりからだに楽な状態をつくってあげることが大切です。この為に枕はもちろん大切ですが敷ふとん(マットレス)も寝姿勢をつくり気道を確保するためにも大切です。症状の強い方は、病院で診てもらうことをおすすめします。
仕事が不規則で1日3交代です。深夜からの勤務もあります。どのように眠りを考えたら良いのでしょうか?
私たちは、夜になれば眠り、朝になれば目覚めるという一定のリズム(サーカディアンリズム)を毎日繰り返しています。24時間営業するお店やそこに商品を供給する工場や配達業等、また、入院患者のいる病院も同じです。本来は、毎日一定のリズムを維持することが睡眠には大切なことですが、それが不可能な場合は睡眠を取れる時に、その環境をしっかりと整えることです。
(快適な眠りの条件 参照)
寝室の環境を整え、寝具は、自分にあったよい寝具を選ぶこと。短い時間でより深い眠りへと入れるようにする。休日には軽くからだを動かし汗を流す等、メリハリのきいた生活リズムを自分でつくることが大切です。