羽毛掛ふとん
かるくて、あたたかく、ふんわりとからだをつつんでくれる羽毛ふとん。
そのあたたかさは親鳥が大切なひなをあたため守るあたたかさ(愛)なのです。
そんなやさしさに包まれて、幸せな心地よい眠りへと誘う羽毛ふとん。
でもお客様からいつもこのようなことをたずねられます。
「羽毛ふとんって価格が安いのもあるし、とびきり高いのもあるのね?」
「何を見て選べばいいの?」
「中が見えないからどういう中身が入っているのかわからない?」
「日に干していいの? お手入れは?」
……等々、いろいろ質問されます。
質問の内容は大きく2つに分かれます。
- 何を基準に羽毛ふとんを選ぶの?
- お手入れはどうするの?
羽毛ふとんを選ぶ基準
羽毛ふとんを選ぶ時、3つの大切なポイントがあります。
- 羽毛
- 生地
- 縫製
羽毛ふとんを構成する3つの大切な要素です。
羽毛について
羽毛は寒さが厳しい地域で育った水鳥ほど良質と言われています。
寒さから身を守るために羽毛がふっくらと大きく高密度となるからです。
一般的にポーランドやハンガリーなど東欧が上質な羽毛の生産地といわれています。
水鳥の種類も ダック < グース < マザーグース の順となります。
飼育されている水鳥と自然の中で人と共生し人が水鳥の生育環境を保護しているものなどがあります。
要は、ブランド米と同じで品種・生産地・生産方法・生産者が明確になるものが良いものです。
そのような羽毛をさらに機械や人の手で選別することにより、さらに上質な羽毛へと磨き上げられていきます。
生地について
羽毛を包む生地にも綿・ポリエステル・リヨセル(注)・シルク(絹)等、様々な素材があります。
それぞれの繊維の糸で一枚の布へと織り上げられています。
その繊維の太さや織り方により生地の肌さわりが変わります。
繊維の太さが細いほどよりやわらかな風合いとなります。
(糸の太さのイラスト)
織り方も 平織 < 綾織 < 朱子織(サテン) 等があります。
一般的に < の順でやわらかい風合いとなります。
より細い繊維で、よりやわらかく織り上げられた生地は、肌ざわりがよくからだにフィットし、しかも重さも軽くなります。
「リヨセル」はシルクのようなソフトさ、ポリエステルのような強靭さ、リネンのような涼感、ウールのような暖かさ、コットンを上回る高い吸湿性を兼ね備えた快適繊維です。
縫製について
あたたかさを逃さないキルティング構造
羽毛布団のキルティングは、羽毛の片寄りを抑え、羽毛が空気層を作るのを助けるなど大切な役割を果たしています。
プルミエールはキルティングにまでこだわり、羽毛が片寄らない「完全立体キルト」を採用。
羽毛の移動を防ぐと同時に身体へのフィット感を高めました。
優れたフィット感とあたたかさを逃さない構造で羽毛の良さを最大限引き出します。
「完全立体キルト」は仕切りテープの交差する部分は全て縫いふさぎます。ノズルの通り道をトンネル状に縫製することで羽毛が移動し片寄ることを防いでいます。
羽毛は、ひとつひとつに区切ったマスに均一に入っています。
羽毛は体温に応じてふくらむ性質があるのでマスの中でふくらみます。
そのふくらみでからだをやさしくつつみ込み、すき間をつくらないよう密着させることが大切です。
代表的な縫製方法
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ヨーロッパキルト
表地と裏地をテープを挟んで直接縫い付けており、ヨーロッパ製の羽毛ふとんによく見られるキルトです。薄手のふとんに適しています。
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ソリッドステークキルト
完全に仕切られたボックスに羽毛を詰めることで、ボックス間の移動や片寄りを防ぎます。ふとん全体のかさ高が均一に保たれることで確かな保湿性が生まれます。
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スーパーソリッドフレームキルト
肌面の生地をドーム状にたわませてフィット感を高め、中央列の肌面生地を多く使用することでさらにフィット性をアップ。肩口のすき間を抑えて温かさを逃しません。横向き寝の方にもおすすめです。
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ボディラインサイエンスキルト
タテ方向のキルトラインにカーブを持たせ、また肌面のキルトマスがお椀型になっているため、カラダにぴったりフィット。肩口からのスキマ風をシャットアウトし、すぐれた保湿性を発揮します。
羽毛ふとんは、羽毛素材・生地・縫製の3要素によりつくられています。
かけてみて、かるいふとんやおもいふとん、あたたかいもの、そうでないもの、からだをやさしく包んでくれるもの、からだになじまないものなどさまざまです。
上質な羽毛をやわらかくてかるい生地で包み、かけてからだにフィットする縫製で仕上げたものが、本当に上質な羽毛ふとんと言えます。
それを使用する方の体質や寝室環境に応じて選ぶことが大切です。
なぜなら羽毛ふとんは、ふんわりとからだをつつみ、心地よいあたたかさ、湿度のコントロール、寝返りを妨げない軽さ、全身のフィット感など眠りの質に大きく影響しているからなのです。